2021（令和3）年度事業計画

活動方針

• 「誰もが、学びたいときに学びたい場所で、自由に学べる社会を作る」ことを理念として活動します。
• 障害学生の大学進学はもちろん、小・中・高等学校でのインクルーシブ教育、特別支援教育、生涯教育と自立生活に関し、情報収集、他団体との連携、政策提言など、障害当事者ならではの視点をいかして積極的に活動します。
• 障害学生・障害当事者の発掘に力を注ぎ、障害者の高等教育の分野の拠点となるよう活動します。
• 一般社団法人の法人格取得を目指します。

各事業別重点項目

1. 「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査」等、調査関連事業

• 「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2021」を実施します。
• これまでの視覚・聴覚・肢体障害、発達障害に加えて、精神障害の受験配慮についてより詳細に調査します。
• すでに実施した2020調査についてのデータを分析し、支援の動向を明らかにします。
• 各年の調査ごとのデータ分析にとどまらず、例えば地域による支援の違い、同じ大学での過去から現在に至る回答状況の変遷、調査と障害学生支援の歴史の関わりなど、多角的な視点でデータ分析を行い、情報を発信していきます。

実施スケジュール（予定）
５月10日　6月10日から　全国の大学に調査依頼文と要項を発送
6月1日 7月12日　調査開始
10月10日　10月30日　調査回答締め切り
10月31日　12月6日　調査回答最終確定
12月25日　2022年1月31日　『大学案内2023障害者版』発行　

2. 障害学生支援に関する相談・情報提供事業

• 主として大学受験や学生生活、学内サポートに関する相談に応じます。
• これまでの電話・メール・来所に加えて、オンライン会議システムZoomなどを用いての相談も実施します。プライバシーに配慮し、現在困っていること、今後目指したい目標など、利用者に寄り添い丁寧に聞き取ります。
• 必要に応じて受験生とともに大学を訪れて障害学生支援の担当者と話し合ったり、要望書を提出するなど、積極的に支援し問題解決を図ります。
• 通学・学内サポートなど、テーマごとに学習できる場を作ったり、事例を収集していきます。
• 今年度から大学向けに法人会員制度を設けました。障害学生に対する合理的配慮に関するサポートや、障害学生支援に関する相談などに応じます。
• 2020年５月29日（土）に、進学相談会を実施する予定です。

3. 『情報誌・障害をもつ人々の現在』等、機関誌発行事業

• 毎号巻頭に、障害学生の体験談「先輩からのメッセージ」を掲載し、体験したからこそ話せるメッセージをお届けします。
• 大学受け入れ調査の最新データ分析をはじめ、障害学生支援に関してタイムリーな内容を掲載します。
• 前年度に引き続き、スポーツや映画など様々な話題を盛り込んで、紙面を充実させていきます。

2021年度の発行日（予定）
112号　2021年７月１日
113号　2021年10月１日
114号　2021年12月25日
115号　2022年3月25日

4. 「障害をもつ学生交流会」等、学生交流事業

• 公式フェイスブックページを使ってセンターの活動や障害学生支援の関連情報を時事伝えていくほか、全国の障害学生・大学など、より多くの一般の方との交流と情報交換を活発にします。
• 障害学生、卒業生のピアサポートと情報交換の場として「グループ障害学生ネットワーク」を運営します。全国に住む障害学生・卒業生の交流と、各自の活動アピールの場です。
• 前年度から引き続きオンラインで「障害をもつ学生交流会」を実施します。いろいろなテーマでの学習会はもちろん、時にはみんなで楽しめるイベントも企画したいと考えております。「こんなテーマでやりたい、やってほしい」というご意見・ご要望を是非およせください！
• 前年度より引き続き「新型コロナウイルス感染症（Covid19）に伴う障害者に関するアンケート」を実施し（2021年５月より開始予定）その結果を書籍やホームページで公開します。

「障害をもつ学生交流会」の目的
１．普段、全国各地に散らばって互いに知り合うことも少ない障害学生同士の交流と情報交換
２．障害をもつ学生自身によるエンパワメント（一人でも多くの障害学生が、より快適な学生生活を送れるように）
３．異なる障害をもつ当事者同士のコミュニケション（互いの交流を通じて、そこから見えてくるものを感じ取る）
４．障害をもつ高校生・大学生間の交流
５．障害のある・なしを越えて、周りの人と交流をすること


5. 障害学生支援に関する啓発・広報事業

広報事業

• 全国の特別支援学校、小・中学校の特別支援学級に加えて高等学校（通信制含む）や図書館、都道府県などにある発達障害・精神障害関連の支援センターや就労支援施設において『大学案内2021障害者版』とセンターの活動を広く知っていただけるよう広報します。
• 地域のイベントに参加し、顔の見えるつながりを大切にしながら、地域の一員としてできることを模索していきます。その具体的なこととして、地元相模原市内の企業などに、協賛や寄付など活動への協力も呼び掛けていきます。
• Webサイトを通じてボランティアも募集します。

外務事業

• コロナ禍において、障害学生支援のあり方や高等教育における合理的配慮の内容に変化があり、どのような支援が望ましいか、相談事業と連携し、当センター内で検討していきます。また、こうした支援の変化について、大学をはじめ多くの人々に知っていただけるよう広めていきます。
• 当事者の立場から障害学生の実情を明らかにし、教育や福祉の分野で政策課題として取り入れられるよう要望していきます。
• 全国の障害学生支援をよりよく円滑に行えるよう、他の地域の障害学生支援に取り組む団体と関係を深めていきます。また「障害学生支援団体」にご登録いただけるよう、積極的に呼びかけていきます
• 『大学案内2021障害者版』掲載のデータを活用した障害学生支援に関する内容はもちろん、様々な障害に関する理解や自立生活などテ当事者ならではの視点で、オンラインでの各種講演活動を実施できるよう体制を強化します。
• 2021年度からスタートする法人会員を中心に、コンサルティング事業を展開します。

6. 助成金単年度事業

• 「障害をもつ学生交流会」等、広報活動（相模原市社会福祉協議会ボランティアグループ等福祉活動助成、申請予定）
  　「障害をもつ学生交流会」を実施し、障害学生・卒業生同士の情報交換・学びの場を提供します。（2021年度中に数回予定）また、当センターの活動を多くの方に知っていただける用、パンフレット・チラシなどを作成し配布します。
  
  
• イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン
  　イオン相模原ショッピングセンターでの登録団体として、引き続き募金をいただけることになりました。当センタースタッフも毎月11日にはお店でキャンペーン協力の呼びかけを積極的に行います。いただいた募金は事務用品やイベントなどで有効に使わせていただきます。
  
  
• 精神障害学生に対する大学の合理的配慮（NHK歳末たすけあい配分金（社会福祉法人 神奈川県共同募金会））
  申請理由
  当センター実施の「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2019」（2019年５月～９月）によると、回答した393校に1283人の精神障害の学生が在籍していることがわかりました。理由としては、各大学で在籍数の把握が進んでいることと、障害学生自身が積極的に障害を告知すること双方の影響があると考えられます。精神障害の場合、特に入学時に配慮が必要なくても、入学後に配慮が必要となるケースが多く見られます。しかし在籍人数の多さに比して、大学での配慮が十分とはいえない状況です。そこで、精神障害学生の種別ごとの受験・在籍・卒業人数を把握し、また大学における受験時の配慮や入学後の支援状況を明らかにするとともに、今後の当該学生への合理的配慮の在り方を模索します。
  具体的な事業内容
  ①「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2021」（2021年7月～10月実施予定）では、精神障害学生の詳細な受験・在籍状況に加えて、受験時の条件や受験時の配慮の詳細、さらに授業での支援について選択肢を大幅に拡大し、精神障害学生に関して受け入れ状況や合理的配慮について、詳細なデータを収集する。その結果を『大学案内2022障害者版』（2021年12月25日発行予定）およびホームページで公開する。
  ② 精神障害のある学生当事者および大学の支援担当者にヒアリングし、その内容を機関誌『情報誌・障害をもつ人々の現在』およびホームページで公開。
  ③　①②と、当センターに寄せられる相談事例に基づき、精神障害学生の大学での受験・学内支援における現状と課題について、障害をもつ学生交流会等で紹介する。また学生向けにQ&Aを作成、公開。
  ④４、AO入試、オンライン入試など、多様化する入試形態での障害学生に対する合理的配慮についての状況を調査する。