2020（令和2）年度事業計画

活動方針

• 「誰もが、学びたいときに学びたい場所で、自由に学べる社会を作る」ことを理念として活動します。
• 障害学生の大学進学はもちろん、小・中・高等学校でのインクルーシブ教育、特別支援教育、生涯教育と自立生活に関し、情報収集、他団体との連携、政策提言など、障害当事者ならではの視点を生かして積極的に活動します。
• 障害学生・障害当事者の発掘に力を注ぎ、障害者の高等教育の分野の拠点となるよう活動します。

各事業別重点項目

1. 「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査」関連事業

• 「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2020」を実施します。

実施スケジュール（予定）　新型コロナウイルスによる影響を考慮し、時期をずらしました。
５月8日　6月10日から　全国の大学に調査依頼文と要項を発送
５月14日 7月 1日　調査開始
８月6日　10月30日　調査回答締め切り
10月8日　12月10日　調査回答最終確定
11月30日　1月30日　『大学案内2021障害者版』発行　

• すでに実施した2019調査についてのデータを分析し、支援の動向を明らかにします。
• 今年度から、各回ごとのデータ分析にとどまらず、例えば地域による支援の違い、同大学での過去から現在に至る回答状況の変遷、調査と障害学生支援の歴史の関わりなど、多角的な視点でデータ分析を行い、情報を発信していきます。

2. 相談・情報提供事業

• 主として大学受験や学生生活、学内サポートに関する相談に応じます。また小・中・高等学校でのインクルーシブ教育、特別支援教育、生涯教育と自立生活に関する相談も受け付けます。
• プライバシーに配慮し、現在困っていること、今後目指したい目標など、利用者に寄り添い丁寧に聞き取ります。
• 必要に応じて受験生とともに大学を訪れて障害学生支援の担当者と話し合ったり、要望書を提出するなど、積極的に支援し問題解決を図ります。
• 大学向けに障害学生に対する合理的配慮に関するサポートや、障害学生支援に関する相談、各大学の障害学生支援室等の外部評価などに応じます。
• 2020年５月30日（土）に、進学相談会を実施する予定です。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となりました。

3. 『情報誌・障害をもつ人々の現在』の発行

• 毎号巻頭に障害学生の体験談「先輩からのメッセージ」を掲載します。
• 大学受け入れ調査の最新データ分析を初め、障害学生支援に関してタイムリーな内容を掲載します。
• 前年度に引き続き、スポーツや映画などいろいろな話題について取り上げ、紙面を充実させていきます。

2020年度の発行日（予定）
108号　2020年７月１日
109号　2020年10月１日
110号　2020年12月25日
111号　2021年３月25日

4. 学生交流事業

• 公式フェイスブックページを使ってセンターの活動や障害学生支援の関連情報を時事伝えていくほか、全国の障害学生・大学など、より多くの一般の方との交流と情報交換を活発にします。
• 障害学生、卒業生のピアサポートと情報交換の場として「グループ　障害学生ネットワーク」を運営します。全国に住む障害学生・卒業生の交流と、各自の活動アピールの場です。
• 2020年度から、ミニ交流会は「障害をもつ学生交流会」として実施します。いろいろなテーマでの学習会はもちろん、時にはみんなで楽しめるイベントも企画したいと考えております。

「障害をもつ学生交流会」の目的
１．普段、全国各地に散らばって互いに知り合うことも少ない障害学生同士の交流と情報交換
２．障害をもつ学生自身によるエンパワメント（一人でも多くの障害学生が、より快適な学生生活を送れるように）
３．異なる障害をもつ当事者同士のコミュニケション（互いの交流を通じて、そこから見えてくるものを感じ取る）
４．障害をもつ高校生・大学生間の交流
５．障害のある・なしを越えて、周りの人と交流をすること


2020年度障害をもつ学生交流会実施予定
シーティングに関する研修会
映画上映会
ハンドサッカー体験会（12/5開催予定）
「こんなテーマでやりたい、やってほしい」というご意見・ご要望を是非およせください！


5. 啓発・広報事業

広報事業

• 障害をもつ大学生、卒業生に障害学生支援のための広報啓発活動に積極的に参加してもらうことで、彼らの社会参加の機会を広げるとともに、後輩へのエンパワメントにつなげていけるよう支援していきます。
• 地域の特別支援学校を訪問したり、障害を持つ子供たちや教育に関連するイベントに参加して、当センターの活動について知っていただき、利用者層を広げていきます。
• 募金箱の設置や寄付の呼びかけのお願い、企業への広告協賛の呼びかけを行い、経済的に安定して活動できるよう努めていきます。また活動スタッフやボランティアの育成にも力を入れていきます。

外務事業

• 「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2020」の結果を元に、障害学生支援のあり方や、高等教育における合理的配慮について、大学をはじめ多くの人に知っていただけるよう講演していきます。
• 当事者の立場から障害学生の実情を明らかにし、教育や福祉の分野で政策課題として取り入れられるよう要望していきます。
• 全国の障害学生支援をよりよく円滑に行えるよう、他の地域の障害学生支援に取り組む団体と関係を深めて行きます。また「障害学生支援団体」にご登録いただけるよう、積極的に呼びかけていきます。

6. 助成金単年度事業

• 「全国障害学生支援センター設立20周年記念イベント」等、広報活動（相模原市社会福祉協議会ボランティアグループ等福祉活動助成）
  　1999年の設立から20年を迎えるにあたり、これまでご支援くださった方々と共に、センターの活動の軌跡を振り返りつつ、その貴重な経験を今後の取り組みに繋げていくためのイベントを企画します。（2020年秋予定）また、当センターの活動を多くの方に知っていただける用パンフレット・チラシなどを作成し配布します。
  
  
• イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン
  　イオン相模原ショッピングセンターでの登録団体として、引き続き募金をいただけることになりました。当センタースタッフも毎月11日にはお店でキャンペーン協力の呼びかけを積極的に行います。いただいた募金は事務用品やミニ交流会・地域交流会などで有効に使わせていただきます。
  
  
• 発達障害のある学生に対する大学での合理的配慮（NHK歳末たすけあい配分金（社会福祉法人 神奈川県共同募金会））
  申請理由
  当センター実施の「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2017」（2017年5月～2018年６月）では、回答大学数247校の内、140大学で1308人の障害学生が在籍していることがわかりました。これ以前の調査（2012年10月～12月実施）では、回答大学数571校の内、188校に949人であり、これと比較して、在籍者数が大幅に増えています。また、2018年度の当センターに寄せられた相談でも、77件中30件が発達障害に関する者でした。支援内容については、個人のニーズによってその内容が多岐にわたることもあり、大学での取り組みの進度に差が見られるのが実情です。本事業ではこうした状況を踏まえて、大学での受験、ならびに受業での合理的配慮の現状を明らかにすると共に、当事者の声を反映した支援のあり方について模索します。
  具体的な事業内容
  ①「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2020」（2020年５月～8月実施予定）では、これまでの調査項目（受験・在籍状況、受業での配慮）に加えて、受験時の条件や受験時の配慮の詳細について選択肢を大幅に拡大し、発達障害学生の受験での受け入れ状況に関して詳細なデータを収集する。その結果を『大学案内2021障害者版』（2020年11月30日発行予定）およびホームページで公開する。
  ② 発達障害のある学生当事者および大学の支援担当者にヒアリングし、その内容を機関誌『情報誌・障害をもつ人々の現在』およびホームページで公開
  ③　①②と、当センターに寄せられる相談事例に基づき、発達障害学生の大学での受験・学内支援における現状と課題について、イベント等で紹介する。また学生向けにQ&Aを作成、公開。