全国障害学生支援センター Nationwide Support Center for Students with Disabilities (NSCSD)
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団体概要
活動計画・報告
2020年度活動報告
2020(令和2)年度活動報告
「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査」関連事業
2020年7月1日から12月4日まで「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2020」を実施し、372校から回答をいただきました。その結果を書籍『大学案内2021障害者版』としてまとめ、本年1月31日に発行しました。ご回答くださった大学の皆様にお礼申し上げます。
今回は発達障害の受験配慮の詳細(試験時間の延長や出題・解答方法など)と、授業での支援詳細についての質問・選択肢を大幅に増やしました。また、新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言発令を受けて、オンライン授業やレポート提出等の通常とは異なる形式の授業を実施したかどうか、またそこで実施された障害学生への配慮についても質問しました。調査結果の詳細な分析については、今後発行の情報誌やホームページに掲載する予定です。
相談・情報提供事業
今年度は進学・学内サポートを中心に計84件の相談が寄せられました。障害別では発達障害と肢体障害の相談が多く、視覚障害がこれに続きます。また依頼者別では、障害者本人からが最も多く、家族がこれに続いています。高校・特別支援学校からの相談も増えています。内容では、大学選びや受験・入学後のサポートを中心とした大学進学に関することが、最も多いです。また、入学後に大学に働きかけたにもかかわらず、支援が受けられずに困って相談に来られる方も増えています。
2020年度 相談件数
合計 84件
障害別の状況
発達障害 36
肢体障害 20
視覚障害 10
知的障害 4
その他の障害 3
聴覚障害 3
内部障害 3
障害全般 2
精神障害 2
不明 1
対応事業別
相談事業 74
情報提供事業 8
情報提供事業 2
相談内容別の状況
大学進学 38
学内サポート 27
その他の進路 8
学外の生活 2
就職 1
高校進学 1
その他 7
相談依頼者
障害者本人 24
本人・家族 23
家族 12
教員(大学以外) 11
大学以外の法人団体 8
大学 4
その他 2
『情報誌・障害をもつ人々の現在』の発行
年4回発行しました。障害学生・卒業生の「先輩からのメッセージ」を毎号掲載したほか、発達障害学生の受験や入学後の支援について専門の方に執筆いただきました。また前年度に引き続き障害とスポーツの話題を連載しました。
2020年度の発行日と主な内容
108号 2020年7月15日発行
先輩からのメッセージ 波瀾万丈の学生生活~私が決めた大学進学のかたち~古山 彩花(重複障害)
連載 思いっきりからだを動かそう! スポーツを通じて世界と繋がる ~女子CPサッカー~大田 麻衣(肢体障害)
109号 2020年10月15日発行
先輩からのメッセージ 「あ・か・さ・た・な」で研究する天畠 大輔(日本学術振興会特別研究員(PD) 中央大学)
学生の諸君にエール 貝谷 嘉洋(NPO法人日本バリアフリー協会代表理事、肢体障害)
連載 思いっきりからだを動かそう! 第6回 障害があってもスポーツ活動に参加しよう!渡邊 新一郎(中央大学経済学部 アダプテッドスポーツ授業担当)
110号 2021年1月20日発行
先輩からのメッセージ 今が一番楽しいと思えるようになること ナオキ(視覚障害)
発達障害のある人が大学受験でどのように配慮を得るか 近藤 武夫(東京大学先端科学技術研究センター DO-IT Japan)
連載思いっきりからだを動かそう! 瞬発力をみがけ!!サウンドテーブルテニスの魅力 鈴木沙耶(視覚障害)
111号 2021年3月31日発行(2021年5月11日修正発行)
先輩からのメッセージ 進路を考えている方へ まつざきなつみ(肢体障害)
大学における発達障害のある学生に対する支援 西村 優紀美(富山大学保健管理センター准教授)
連載思いっきりからだを動かそう! スポーツを通して日常生活で活かせること小岩井亜樹(視覚障害)
『復活!!障害をもつ学生交流会』オンライン開催しました
学生交流事業
障害学生ネットワークグループの加入者も増え、障害学生・当事者同士の情報交換の場として活用いただいています。
2020年8月より「新型コロナウイルス感染症(COVID19)によって障害者が受ける影響に関するアンケート」を実施、このアンケートの中間報告が書籍『大学案内2021障害者版』の付録として掲載されています。障害者自身の手による障害者の声を集めたアンケートとして社会的にも意義のあるものと考えております。(3月16日の参議院文教科学委員会において、舩後靖彦議員のオンライン授業における障害学生への合理的配慮についての質問で、この中間報告が紹介されました。当センターのホームページから動画をご覧いただけます。)
3月6日に『復活!オンライン障害をもつ学生交流会』を、ズームを用いて実施し、センタースタッフを含め計22名が参加しました。交流会に初めて参加した方、10年前の交流会の実行委員をやられていた方、大学生の方、すでに学校を卒業してそれぞれの活動をしておられる方など様々な方が集まりました。受験生や大学生からの悩みや質問に対し卒業生がアドバイスしたり体験を話したりして、充実した会となりました。
プログラム
司会:雪琢馬、殿岡栄子
13:00 ズームミーティングオープン
14:00 開会挨拶 代表 殿岡翼
14:05 進め方など説明 殿岡栄子
14:10~14:55 自己紹介
14:55~15:00 休憩
15:00~15:50 話題提供&トーク
15:50~15:55 アンケート説明
15:55 閉会挨拶 雪琢馬
16:00 終了
啓発・広報事業
外務事業
センタースタッフが例年参加しているイベントの多くが中止となりました。そうした中で、大学のオンライン授業で講演したり、障害学生支援関連のイベントにオンラインで出席しました。
広報事業
2020年 4-6月にかけて非常事態宣言が発令されその影響で、スタッフ・ボランティアの事務所での活動が制限されました。また、学校の休校やコロナ感染拡大の影響で、書籍の販売数が伸びず、活動資金が不足して運営が厳しい状況が続きました。しかし資金面では会員の方からのご寄付や企業からの広告協賛により、無事に活動を継続できました。本当にありがとうございました。
また近年では最も多くのボランティア希望者が来所してくださいました。感染のリスクを考慮して、短時間で密を避けてお手伝いいただいています。
主な講演・広報出張先
【講演・会議出席】
6月30日 東京家政大学講演基礎ゼミナール 「障害の社会モデルについて」
9月26日 「大学進学の壁を乗り越える!」イベントで、重度訪問介護利用者の大学修学支援事業についてコメント
10月24日 東洋大学講演(ズーム)「学校は辛いよ!~子どものSOSを聞こう~」
11月26日 国士舘大学講演(ズーム) 「障害者差別解消法と大学での障害学生支援」
12月21日 東洋大学講演(ズーム) 「建築とまちのUD~盲導犬との歩行、子育てと住環境の工夫」
2021年1月23日 公開シンポジウム「障害学生の語りが、学びを変える、社会を変える」にパネラー出席
【参加】
11月1日 KAWASAKIしんゆり映画祭
【掲載・報道】
5月5日 読売新聞神奈川県版「くろーずあっぷ」コーナー 「障害者の受験道しるべ ~全国障害学生支援センター代表殿岡翼さん」
助成金単年度事業
復活!オンライン障害をもつ学生交流会』
この事業は相模原市社会福祉協議会ボランティアグループ等福祉活動助成を受けて2021年3月6日に実施しました。
イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン
イオン相模原店のご協力により、毎月11日の「イオンデー」に来店したお客様のレシートを当センターの募金ボックスに入れていただくと、その合計額の1%分の金額がギフトカードとして寄付されます。今年度はコロナウイルス感染予防のための空気清浄機と文房具を購入し、有効に使わせていただきました。
発達障害のある学生に対する大学での合理的配慮
「2019年度NHK歳末たすけあい配分金(社会福祉法人 神奈川県共同募金会)」の助成により、以下の事業を実施しました。
「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2020」(2020年7月1日~12月4日)を実施、発達障害学生の受験時の配慮、授業での支援について大学ごとの状況を調査し、書籍『大学案内2021障害者版』(2021年1月31日発行)に掲載。また上記の情報を「大学案内障害者版Web情報サービス」にて公開。
『情報誌・障害をもつ人々の現在』で、発達障害学生の支援に関する記事を掲載。
その他
通常の業務として以下のことを行いました。いつもお手伝いくださるボランティアの皆様、ありがとうございます。
会員登録・更新手続き
情報誌作成・発送
大学受け入れ調査データベースプログラミング作業
調査要項発送作業
調査回答依頼の電話かけ作業
書籍発送
名簿入力
会計作業
ホームページ更新
サーバ管理(バックアップ等)
「令和2年度相模原市表彰 市政功労表彰」を受賞することができました。2020年11月20日に代表の殿岡翼が授賞式に出席し、相模原市長から賞状を授与いただきました。活動を支えてくださる皆様と、サポートくださっている相模原市社会福祉協議会の方にお礼申し上げます。