全国障害学生支援センター 2009(平成21)年度事業報告書 〜昨年度はこんな活動をしてきました!〜

1.「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査」関連事業
 次回の調査に向けて、システム基盤を整理しました。新しいサーバを導入し、WEBシステムを更新したことで、動的なHPの作成が以前に比べて3分の1以下の時間でできるようになりました。センターの活動で使えるHPの作成に試行的に取り組み、次回調査のデータベース作成の足がかりにすることができました。具体的な調査関連作業は2010年度に行う予定です。

2.相談・情報提供事業
 障害をもつスタッフが、メールや電話、訪問などによる相談に応じました。大学進学を考えるときに、入学後の学生生活についての不安も取り除いておきたい、という傾向が強いようです。相談件数は今までで最も少なくなりましたが、潜在的なニーズはあるものと思われます。センターの利用者や関係者との積極的な関わりを大切にしていきたいものです。


相談事業利用者数 合計 46件
障害別の状況      
肢体障害  17       
聴覚障害  6        
発達障害  6
障害全般  6
視覚障害  5
内部障害  1
知的障害  1
精神障害  1
不明    3

相談内容別の状況
大学進学  25
学内サポート  8
進路(大学以外)  5
学外の生活  1
その他  6
不明  1

 

3.『情報誌・障害をもつ人々の現在』の発行
 墨字版と点字版・テキスト版の情報誌を年4回発行しました。原稿によっては、構想から1年以上かかっているものもあり、独自の視点を出すことができました。また、イラストや写真が充実し、全体の読みやすさにも考慮しました。系統立てた特集などの企画力が弱くなったことが課題です。情報誌の協賛では、毎号ご支援いただいている団体や、新しくご協賛いただいた企業など、少しずつ輪が広がっていることに感謝です。

2009年度の発行日と主な内容
毎号共通:先輩からのメッセージ
     連載…夏子の沖縄だより、山さんのセンター今むかし、はっぴ〜タイム
64号 2009年6月18日
 障害学生支援のネットワークについて
 ヘルパーを利用して自立生活を組み立てよう
 支援センターの動き(事業計画と報告)
65号 2009年9月17日
 先輩からのメッセージ(視覚障害2人)
 障害学生支援ランキング、受験Q&A
66号 2009年12月17日
 先輩からのメッセージ(肢体障害)
 伊是名夏子さん講演会in大宮              
 生活を豊かにする福祉機器の紹介 〜 国際福祉機器展より 〜
 日本学生支援機構の取り組み 〜 前編 「障害学生修学支援事業」について 〜
67号 2010年3月17日
 先輩からのメッセージ(視覚障害)
 学生生活Q&A
 日本学生支援機構の取り組み 〜 後編 「奨学金貸与事業」について 〜
 自閉する現代社会とアスペルガー

4.学生交流事業
 障害学生メーリングリストを運営しています。当事者が企画するイベントの紹介やセンターからのお知らせなどの情報が流れています。新規加入者も月に1名程度ずつ増えています。
 「障害をもつ学生交流会」を、3月20・21日に都内で開催しました。3年ぶりの開催で、小規模ではありましたが、交流会の意義を確認できるよい機会となりました。この交流会は、障害学生を中心とした実行委員会で企画運営しています。今回は、実行委員の人数も少なく、過去の交流会を知っているメンバーも少ないという厳しい状況で、交流会の企画は本当に試行錯誤でした。しかし、意欲的な学生や、交流会を何度も支えてきてくれたボランティアさんに助けられて、無事に終えることができました。地域での障害学生の掘り起こしやミニ交流会の開催など、今回の交流会で出された意見を大切に育てていきたいと思います。交流会の詳細は4ページをご覧ください。
 

5.啓発・広報事業
外務事業
 センターが加盟しているDPI日本会議、DPI東京行動委員会関連の活動では、日本会議で障害学生関連の事項が初めて常任委員会で議論され、教育関係の取り組みがなされました。また、2月に政府・民主党に初めてセンター名義で意見書を提出し、障害者施策推進会議に向けてアピールを行いました。
 センターの事務所がある近隣の町田市や相模原市の関連では、学校での講演や訪問活動など、手探りで活動を開始しました。地域での広報の取り組みは、徐々に効果を出しており、次年度の活動につながるよう整理をして前進させていきたいです。

広報事業
 事務所のある地元での広報活動に着手しました。相模原市社会福祉協議会 市域ボランティアグループ等福祉活動助成を活用し、「相模原市域でのニーズを掘り起こす、障害学生支援センター広報事業」を実施しました。市内の当事者団体やボランティア団体に、センターのリーフレットや機関誌などを送付したほか、市民活動の拠点となるような施設にポスターを貼っていただきました。また全国的には、センターの活動や書籍紹介のチラシを、教育関連のイベントで配布していただいたり、全国の高校・図書館・障害者関連団体などに送ったりして、広報活動を行いました。また、広報先の団体探しも続けています。

 

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