先輩からのメッセージ「学びたい気持ちがすべての始まり」

~篠田 将承さんインタビュー~

話し手 篠田 将承(しのだ まさよし)
2024年別府大学経営学部卒業
聞き手 殿岡 栄子


学生時代と大学生活

殿岡:今日はインタビューをお引き受けくださりありがとうございます。よろしくお願いします。
篠田:よろしくお願いします。
殿岡:篠田さんは脳性麻痺とのことですが、小中高はどのような学校に通われていましたか?
篠田:小中学校は普通学校で、特別支援学級に在籍していました。高校も普通の高校に通いました。支援員の方がついてくれて、インクルーシブ教育の形でした。
殿岡:進路については自然に大学進学を考えられたんですか?
篠田:はい。高校が進学校だったので、周囲も大学に進学する流れでした。自分も自然とそう思っていました。
殿岡:大学名と学部を教えていただけますか?
篠田:私は別府市にある私立大学の経営学部に所属していました。観光やマネジメントなどを学びました。
殿岡:大学ではどのような支援がありましたか?
篠田:入学当初はトイレ介助などの支援がなく、「自分でヘルパーを探してください」と言われました。困って相談を重ねるうちに、大学が事業所と契約して学内介助を提供してくれるようになりました。最初は自費でヘルパーを雇うよう言われたのですが、特別支援教育の先生などに相談したことで、大学側が動いてくれました。
殿岡:授業中の支援は?
篠田:ノートテイクや代筆などは学生ボランティアが担当してくれました。大学が有償で学生を雇って支援してくれる形でした。支援学生は主に福祉系の学部の方が多く、同じ学部の学生とはあまり接点がありませんでした。
殿岡:コロナ禍の影響はありましたか?
篠田:ありました。特に2年生の秋学期はオンライン授業が中心になり、通学の負担が減ったのは助かりました。対面授業が再開してからは、大学が契約した事業所のヘルパーが学内介助を担当してくれました。
殿岡:大学生活の中で印象に残っているエピソードはありますか?
篠田:はい。ある授業でグループワークがあり、最初は周囲の学生がどう接していいか戸惑っている様子でした。でも、私が自分から話しかけたり、役割分担を提案したことで、自然と打ち解けていきました。自分のことを「介助が必要な人」としてではなく、「一緒に学ぶ仲間」として見てもらえた瞬間が嬉しかったです。大学では、支援を受けながらも自分の意見をしっかり伝えることが大切だと実感しました。

生活環境と人間関係

殿岡:大学時代に一人暮らしもされていたそうですね。
篠田:はい。2年生の時に居宅介護を利用して一人暮らしを始めました。通学は親の送迎が中心でしたが、途中からヘルパーの支援も受けるようになりました。住民票を移して福祉サービスを受ける体制を整えました。
殿岡:学生ボランティアとの関係はどうでしたか?
篠田:仲良くなった学生もいましたが、同じ学部の学生とはあまり交流がありませんでした。事務職員とはよく話していました。ボランティア学生との連絡や時間調整などは、基本的に自分で行っていました。
殿岡:ご卒業後、現在はどのような活動をされていますか?
篠田:就労移行支援事業所に通っています。介助が必要なため、就職には課題がありますが、制度を活用しながら活動しています。趣味はミュージカル鑑賞やクラシック音楽で、特にベートーヴェンの「第九」が好きです。YouTubeで音楽を楽しんだり、時には歌ったりもしています。

これから大学を目指す人へのメッセージ

殿岡:最後に、これから大学を目指す障害のある方へ伝えたいことはありますか?
篠田:制度が整っていても、自分が何を学びたいかが明確でないと意味がありません。まずは「何をしたいか」をはっきりさせることが大事です。制度の有無よりも、自分の意思と目的が最も重要だと思います。