コロナアンケート 最終報告

雪琢馬


今から5年前、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延し、私たちの日常に大きく変化をもたらしました。その年の夏から当センターは「障害者のコロナアンケート」と題してコロナ禍における障害者の生活実態についてアンケート調査を実施しました。そして今回が最終報告になります。当センターの体制を整えるのに時間を要し、報告が遅れたことをお詫び申し上げます。

今回は「医療」と「今後の社会」についてです。まずコロナ禍になって私たちの社会では様々なことが止まりました。アンケートでは、リハビリ等、定期通院や受診に対する影響を複数回答で聞いたところ「特に変化なし」が82、「感染が怖くて通院を減らす、あるいはやめる」が29、「検査や入院の予定が変更」が9、「診察が受けにくくなった」が5でした。通院に関して大きな変更がなかったように見えますが、コロナ禍になり始めた頃は正確な情報がなかったこともあり、通院を減らすといった回答も一定数見られました。

コロナ禍になって注目されたオンライン診療について複数回答で尋ねたところ「慣れた先生ならオンライン可」が70、「薬の処方はオンライン、診察は病院」が48、「オンラインを利用したくない」が23、「オンライン中心がいい」が13でした。オンラインはとても便利ではありますが、オンライン診療への希望は薬の処方など限定的で、初診はオンラインではなく対面での診療を望む方が多かったです。

今後の仕事や社会参加の方法について希望を聞いたところ、「コロナ以前の社会」が71、「オンラインと出社を交互にする」が47、「可能な限りオンライン」が30、「時差出勤」が17でした。コロナ禍をきっかけに選択肢が増え、希望が分かれました。

コロナ禍から5年半が経ち、社会ではコロナが過去のこととなり、コロナ以前に戻ったかのように思えます。しかしその一方で確実に変化したこともあります。リモートワーク、フードデリバリー、サブスクリプションの多様化に表れているように、エンタメなど各分野で大きな変化がありました。またコロナ前、マスクはそれほど種類がなかったと思いますが、今ドラッグストアに行けば種類豊富なマスクが販売されています。以前の「ともに生きる」でも書きましたが、決してマイナスなことばかりではなく、このような変化は、私たちの暮らしにプラスの要素をもたらしたのではないでしょうか?今後は、このプラスの要素をどのように社会に活かしていくかが問われると思います。

最後になりましたが、このアンケートを企画して5年強、当センターのスタッフとともに今日までやってきました。このアンケートにご協力いただいたすべての方々に感謝申し上げます。このアンケートには多くの方々から注目され、2021年3月と4月に参議院文教科学委員会において、舩後靖彦議員(当時)のオンライン授業における障害学生への合理的配慮についての質問で、『大学案内2021障害者版』に掲載された「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって障害者が受ける影響に関するアンケート中間報告」が紹介されました。少しでも、当センターの調査が社会の役に立てたなら幸いです。

本アンケート調査において自分は主に集計作業を担当し、その過程でExcelを活用しましたが、集計する中で多くの関数を用いたので自分自身のExcelスキルが上がりました。それもコロナ禍によりもたらされたことの一つです。5年間、本当にありがとうございました。