支援センターの動き~2025年度事業計画~

活動方針

 「誰もが、学びたいときに学びたい場所で、自由に学べる社会を作る」ことを理念として活動します。

  • ・受験・入学・卒業に至るまで、大学の合理的配慮の提供に関する諸課題に対し、障害学生の立場に立って取り組み、高等教育における社会的障壁の除去を目指して活動します。
  • ・障害当事者同士のピアサポートを核として、個々の障害学生がセルフアドボケート(自己権利擁護)できるよう活動します。
  • ・障害学生の大学進学はもちろん、小・中・高等学校でのインクルーシブ教育、特別支援教育、生涯教育と自立生活に関し、情報収集、他団体との連携、政策提言など、障害当事者ならではの視点を活かして積極的に活動します。
  • ・障害学生・障害当事者の発掘に力を注ぎ、障害者の高等教育分野における支援拠点となるよう活動します。

各事業別重点項目

1、「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査」等、調査関連事業

  • ・「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2025」を実施し、書籍『大学案内2027障害者版』としてまとめます。
  • ・受験時や入学後に合理的配慮を受けるために必要な手続きについて調査します。
  • ・前回調査(2024調査)について「大学案内web情報サービス」でデータを公開します。
  • ・前回調査の分析結果を情報誌・YouTubeで公開します。

「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2025」実施スケジュール

6月30日 調査依頼文と要項を大学にメールで送信、調査ウェブサイトにアップ
7月7日 調査開始
10月31日 調査回答締め切り
12月19日 調査回答最終確定
2026年1月20日 『大学案内2027障害者版』発行
2026年3月25日 情報誌に最初の分析掲載

2、障害学生支援に関する相談・情報提供事業

  • ・主として大学受験や学生生活、学内サポートに関する相談に応じます。
  • ・電話・メール・来所、オンライン会議システムZoomを用いて相談を行います。プライバシーに配慮し、現在困っていること今後目指したい目標など、利用者に寄り添い丁寧に聞き取ります。
  • ・必要に応じて、障害学生に代わって大学に合理的配慮について要望したり、相談の場に同席したり、差別的取扱いに対する申し出を行うなど、積極的に支援し問題解決を図ります。
  • ・法人会員(大学)向けに、合理的配慮提供に関するサポートや、障害学生支援に関する相談に応じます。
  • ・どなたでも参加できる学生相談会をオンラインで開催します。(毎月第3土曜日13時30分~15時30分)
  • ・月に1度相談にかかわるスタッフの勉強の場を持ちます。

利用会員向け権利擁護プログラム

当センターの利用会員(障害学生)からの要請を受けた場合、以下のことを実施します。

  • 1、合理的配慮決定に関する申し出を代弁する。
  • 2、事前相談に同席する。
  • 3、合理的配慮建設的対話に同席する。
  • 4、不当な差別的取扱に対して申し入れを行う。
  • 5、大学修学支援事業の開始をサポートする。
  • 6、その他当該学生の立場に立って大学と協議する。

3、『情報誌・障害をもつ人々の現在』等、機関誌発行事業

  • ・紙媒体からオンライン発行に切り替え、誰でも購読できるようにします。内容は従来の情報誌のスタイルを継承し、年4回発行します。
  • ・毎号巻頭に、障害学生の体験談「先輩からのメッセージ」を掲載し、体験したからこそ話せる内容をお届けします。
  • ・大学受け入れ調査の最新データの分析を掲載します。
  • ・大学の障害学生支援の取り組みや、障害学生支援関連のイベントなどタイムリーな情報を掲載します。
  • ・「障害学生交流会」など、センターのイベントの様子を掲載します。
  • ・新しい取り組みとして、オンラインの強みを生かし、文字情報だけでなく動画コンテンツも充実させていきます。

2025年度の発行日(予定)

128号 2025年7月1日
129号 2025年10月1日
130号 2025年12月28日
131号 2026年3月25日

4、「障害をもつ学生交流会」等、学生交流事業

  • ・SNSを使ってセンターの活動や障害学生支援の関連情報を時事伝えていくほか、全国の障害学生・大学など、より多くの一般の方との交流と情報交換を活発にします。
  • ・障害学生、卒業生のピアサポートと情報交換の場として「グループ障害学生ネットワーク」を運営します。全国に住む障害学生・卒業生の交流と、各自の活動アピールの場です。
  • ・障害学生・卒業生・センタースタッフでミニ交流会を定期的にオンラインで行います。
  • ・年に1度「障害学生交流会」を対面で実施します。詳細が決まりましたらお知らせします。
  • ・「新型コロナウイルス感染症(Covid19)に伴う障害者に関するアンケート」を継続的にSNSで公開します。
  • ・月に1度オンラインでスタッフ同志の交流の場を設けます。

「障害学生交流会」の目的

  • 1.普段、全国各地に散らばって互いに知り合うことも少ない障害学生同士の交流と情報交換
  • 2.障害学生自身によるエンパワーメント(一人でも多くの障害学生がより快適な学生生活を送れるように、またセルフアドボカシーの視点が高められるように)
  • 3.異なる障害のある学生同士の交流と相互理解(自分と異なる障害について知り、そこから見えてくるものを感じ取る。様々な障害当事者の社会的障壁について関心を持ち、同じ当事者として共感できるように)
  • 4.大学進学を目指す人(高校生など)、障害学生、卒業生の交流
  • 5.障害のある・なしを越えて、周りの人との交流

5、障害学生支援に関する啓発・広報事業

広報事業

  • ・公式ホームページ、X、Facebook、YouTube、Lineで広報します。
  • ・全国の特別支援学校、高等学校(通信制含む)などに『大学案内2026障害者版』とセンターの活動を広く知っていただけるよう広報します。
  • ・相模原市商工会議所など、地域のイベントに参加し、顔の見えるつながりを大切にしながら、地域の一員としてできることを模索していきます。地元相模原市内の企業などに、協賛や寄付など活動への協力も呼び掛けていきます。
  • ・Webサイトを通じてボランティアを募集します。
  • ・活動継続のために寄付を募集します。

活動への協力依頼

ボランティア募集
センターホームページ、ボランティア情報サイトactivo
寄付募集
センターホームページ、ヤフーネット募金、つながる募金(ソフトバンク)

広告協賛

書籍『大学案内2027障害者版』 2025年5月1日募集開始予定
Webサイト 全国障害学生支援センターホームページ 常時募集。掲載開始月は無料。

外務事業

  • ・大学や高校など、学生・教職員の集まる場所で障害を持ちながら学ぶということはどういうことかを伝えたり、最新の調査データをもとに支援の状況などについて講演していきます。
  • ・大学向けにコンサルティング事業を展開します。
  • ・当事者の立場から障害学生の実情を明らかにし、教育や福祉の分野で政策課題として取り入れられるよう要望していきます。
  • ・全国の障害学生支援をよりよく円滑に行えるよう、障害学生支援に取り組む団体と関係を深めていきます。

講演:障害のある多彩な講師陣を派遣します

講演テーマ(例)

  • ・各大学の障害学生支援の現状と課題
  • ・障害者差別解消法への各大学の取り組み
  • ・国立大学法人での差別解消法の対応要領作成への取り組み
  • ・教職員研修(FD・SD研修)
  • ・生徒・学生向け講義・講演

大学向けコンサルティング事業

  • 1. 障害学生支援団体として会議に出席、ヒヤリングに応じる
  • ・障害者差別解消法の教職員対応要領作成・見直し
  • ・障害学生支援に関する各種規定等のマニュアルの作成・見直し
  • 2. 障害学生支援団体としての外部評価
  • ・障害学生支援室の評価
  • ・ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーの評価
  • ・シラバスの評価
  • 3. 大学修学支援事業の開始をサポート
  • 4. その他、障害学生支援に関わる事業整備

6、助成金単年度事業

受験時の合理的配慮申請時の負担軽減のための情報提供(NHK歳末たすけあい配分金(社会福祉法人 神奈川県共同募金会)〔取得済み〕

2024年4月からの「障害者差別解消法」改正施行により、私立大学を含めたすべての大学で、合理的配慮の提供が義務化されました。障害学生が受験の際に力を発揮するために、自分に合った合理的配慮を申請することが重要です。しかし申請には診断書など提出書類の準備が必要で、申請時期や手続きも大学によって異なるため、障害学生には負担となっているのが実情です。そこで、各大学の受験時の合理的配慮申請の手続きについて時期や方法などの詳細を調査し、障害学生に情報提供することで、申請時の負担の軽減を目指します。

具体的な事業内容

  • 1、「大学における障害学生の受け入れ状況に関する調査2025」(2025年7月7日~10月31日実施予定)では、大学の受験時の合理的配慮の申請手続きについて、新しく項目を追加し、具体的に調査する。その結果を書籍ホームページで公開する。
  • 2、1で得られた情報をもとに、障害学生やその関係者に相談・情報提供を行う。
  • 3、障害学生の学内生活、自立生活で直面する様々な課題を設定し、定期的に交流の機会を設ける。